KDC NEWS 2020 5月号

暖かい季節になってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルスの大流行でオリンピックの開催も危ぶまれている今、当院でも感染予防に最大限取り組んでおります。
検温や手の消毒などをお願いし、患者様にはお手間をお掛けしておりますが、私共の取り組みに「安心する」と言って下さる方もおられ、このような大変な状況の中でも嬉しく思います。
一刻も早いウイルスの終息を願いつつ、引き続き感染予防に取り組んでまいります。
さて、4月20日からの矯正の診療時間が変わります。
裏面のカレンダーをご覧いただき、ご不明な点は受付・スタッフにご確認いただきますようお願いします。

院長のことば

当院では,新型コロナウィルス対策に対して,CDCのガイドラインに沿って,最大限の院内感染対策を講じています。元々,開業当初からミーレ,B-classの滅菌,パッキング,バリアーシール,ガウン等はルーチンに行っていましたが,更に,追加対応として,受付にて,すべての患者の検温,スタッフの検温(毎日)さらに,受付も 含めて,ガウン,マスク,ゴーグル,シールド,手袋は患者診察毎に交換,手洗い(happy birthday to youを2回で.20秒)患者診察室に入る前にアルコール消毒,ラバーダム,出来ない場合は、0.1%の過酸化水素,もしくは,1%のイソジンにて,うがいをしてもらってから,治療開始。スピットンの使用禁止。4ハンドテクニックにて,すべて完結させて,必要な方は,powder room にて,うがいをしてもらう。プラズマクラスターによる,最大換気。すべて,タービン関係はすべて,スリープ等,できる限りの対策をうっています。これを機会に,院内感染対策のルーチンとしていく良いきっかけになると思います。職員の意識の啓発にも大変役に立っています。

院長雑感

今回は、予防のお話を中心にお話ししたいと思います。
みなさんはどういう時に歯科医院に行くでしょうか?当然、歯が痛くなった時に行くと思います。
そして、痛いところだけを治して、ハイ終わり。といった感じではないでしょうか?
では、なぜ虫歯や、歯周病になってしまうのでしょうか?
歯磨きの仕方が悪いから?虫歯になりやすい体質だから?歯周病になりやすい対質だから?
年を取ったら、みんな歯が悪くなって、入れ歯になってしまう?一日3回食後3分は虫歯の予防に効果がある?甘いものが好きなんだけど虫歯になるのが怖いので、控えようかな?年を取ったら歯茎がやせてくる?
など、など、さまざまな歯科治療に関しての情報が氾濫していてそう思っている方は多いのではないでしょうか?
実は、今、書いたことは実はすべて間違った情報なのです。

まず、お口の中には約100億ぐらいの細菌がもともと生息しています。それもバランスよくみんな仲良く生息しています。もし、お口の中を殺菌してしまうと、息をしたらみんな肺炎で死んでしまうことになります。ですので、まずはお口という入り口で外界からの細菌の進入をブロックする働きがあります。そして食事をすると歯の表面に膜ができます。そしてその膜にいくつかの種類の細菌がくっ付きます。そしてそれを足場にして、細菌が固まりを作ります。その塊のことをプラックといいます。

そして、このプラックは塊を形成してから24時間たつと、毒素を出します。これにより、ある場合は、虫歯に、ある場合は歯周病に移行していくのです。ですから、このことを整理すると、細菌の塊であるプラックが食事をしてから24時間経つと悪さをするので、これを歯ブラシで24時間以内にバラバラにすればいいわけです。このことをプラックコントロールといいます。TVなんかでよく聞く言葉ですね。ただし、ここで問題があります。歯の横の面はどうやって磨くのでしょうか?これがデンタルフロスというものです。(皆さんがいう、糸楊子と呼んでいるいるものです)アメリカの映画なんかの1シーンによく出てきますが、皆さんは、見たことがあるでしょうか?

日本では糸楊子という言葉がその意味を誤解させる要素があって、デンタルフロスは歯と歯の間に詰まった食べかすを取るものだと思っている方が多くいますが、それは違います。正しいデンタルフロスの意味は歯の横の面を磨く歯ブラシなのです。

ですので、いくら歯ブラシを一生懸命がんばっても、デンタルフロスを使用していなければ、歯を磨いていないのと同じことになります。以上のことは患者の皆さんがお家でご自身でやっていただくことになるので、これをホームケアーといいます。
一方、歯の表面についた膜は歯ブラシでは取れません。ですので、この膜はクリニックに入って取ることになります。この膜は特殊なお薬を使用して機械的に除去します。このことをPMTC(プロフェッショナル メカニカル ティース クリーニング)といいます。いわゆる歯のクリーニングというやつです。またこのことを、クリックで行うのでオフィスケアーといいます。

したがって、このホームケアーとオフィスケアーの両軸を回すことで完全に虫歯と歯周病は未然に防ぐことができるのです。

ちなみにこのオフィースケアー(歯のクリーニング)は3ヶ月に一回 年4回のペースで行うことが最も効果があると疫学的調査で立証されています。欧米では成人の約90パーセントの方が虫歯や歯周病がないという結果が出ています。みなさんはご存知でしたか?
それから、フッ素です。フッ素は日本を除く先進国のほとんどの国の水道水に含まれています。

フッ素はお口の中の唾液のカルシウムと結合して歯を強化する働きがあります。欧米ではお腹の中に赤ちゃんができた時保健所でフッ素の錠剤を無料配布して、お腹の中の赤ちゃんの歯の強化に役に立つようにしています。

ですので、まずは正しい予防の知識を持つこと、ここが歯科治療を理解するうえでの第一歩となります。次回はさらに一歩進んだ、予防の最前線と歯科治療の本質についてお話したいと思います。

芸能人は、歯が命といいますが、人間皆、歯が命です。これを機会にご自身の健康を改めて考える機会にしてはいかがでしょうか?

かなたにデンタルクリニック 院長 金谷 昌幸

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