KDS NEWS 2013年10月・11月号
はじめに
当医院は今年の5月1日よりこの向日町にて、開院致しました。
以前は、大阪 北浜の淀屋橋にて、15年間開業をしておりましたが、この向日町にご縁を頂き、現在に至ります。
生まれは京都丹後の宮津の天ノ橋立で、その後つい最近まで、神戸の芦屋で育ちました。大学は信州の松本歯科大学を卒業し、その後は母校で病理学を教えていました。当初はがん研究に従事して、多くがんの診断をしてきました。しかし、せっかく歯科医師になったのだから、世のため、人のために直接、役に立つチャンスがあるのだから、研究者になるのをやめ、臨床医(研究ではなく、診療を中心とした歯科医師)に転向することにいたしました。
その後アメリカに留学して、多くのことを学び、帰国後、上記の場所で開業したのが15年前です。では、なぜこの地なのかというと、僕の妻が生粋の京都人で、たまたま、義理の父の薦めもあって、この地で新たに移転開業をすることになりました。また、従来より都心で診療をしてきましたが、やはりそこで痛感したのは、いくらすばらしい治療を仮にしたとしても、やはりそれはあくまでも人工のものであり、やはり予防を中心とした診療、また地域の方々に喜ばれるような開かれたクリニックを目指して、一人でも多くの人に歯の大切さ、そして美しさを伝えたいと強く思ったからです。
この地で開業をして約半年が過ぎようとしていますが、その間多くのこの地域の患者様方に親切にして頂き、本当に感謝をしております。これから、長くの間、おそらく歯科医師人生を全うするまでの間この地で診療をすることと思います。どうぞ、末永く患者様の皆様にはお世話になると思いますが、よろしくご指導のほどお願い申しあげます。また、当院スタッフ一同、全力で患者の皆様のお役に立てるようがんばっていきたいと思います。
かなたにデンタルクリニック 院長 金谷 昌幸
●かなたにデンタルクリニック 診療理念
1)地域、社会のために多くの患者様のために開かれたクリニックを目指します。
2)このクリニックに関わったすべての人々が笑顔になり、元気になるような
明るく楽しいクリニックを目指します。
3)一人一人の患者様に対し、当院スタッフ全員がおもてなしの心で目配り、気配りをして大切にしていくことを目指します。
4)かなたにデンタルクリニックは常に前進し、成長し続けるよう院長を含め、スタッフ全員が努力・邁進していくことを目指します。
●各種行事予定
11月30日(土)AM9:00~10:00 矯正相談会、説明会(無料)
当院にて開催します。これから矯正治療をお考えの方(特に学童期のお子様に関して)
や、歯並びで悩みや不安をお持ちの方はお気軽にご相談ください。
@今後、随時各種講演会を開催していく予定です。(予定がわかり次第、お知らせ致します)
※予防の話と歯の大切さ
※学童期における成長と発育を利用した矯正治療
※噛み合わせと全身の健康
●院長雑感
今回は、予防のお話を中心にお話ししたいと思います。
みなさんはどういう時に歯科医院に行くでしょうか?当然、歯が痛くなった時に行くと思います。
そして、痛いところだけを治して、ハイ終わり。といった感じではないでしょうか?
では、なぜ虫歯や、歯周病になってしまうのでしょうか?
歯磨きの仕方が悪いから?虫歯になりやすい体質だから?歯周病になりやすい対質だから?
年を取ったら、みんな歯が悪くなって、入れ歯になってしまう?一日3回食後3分は虫歯の予防に効果がある?甘いものが好きなんだけど虫歯になるのが怖いので、控えようかな?年を取ったら歯茎がやせてくる?
など、など、さまざまな歯科治療に関しての情報が氾濫していてそう思っている方は多いのではないでしょうか?
実は、今、書いたことは実はすべて間違った情報なのです。
まず、お口の中には約100億ぐらいの細菌がもともと生息しています。それもバランスよくみんな仲良く生息しています。もし、お口の中を殺菌してしまうと、息をしたらみんな肺炎で死んでしまうことになります。ですので、まずはお口という入り口で外界からの細菌の進入をブロックする働きがあります。そして食事をすると歯の表面に膜ができます。そしてその膜にいくつかの種類の細菌がくっ付きます。そしてそれを足場にして、細菌が固まりを作ります。その塊のことをプラックといいます。
そして、このプラックは塊を形成してから24時間たつと、毒素を出します。これにより、ある場合は、虫歯に、ある場合は歯周病に移行していくのです。ですから、このことを整理すると、細菌の塊であるプラックが食事をしてから24時間経つと悪さをするので、これを歯ブラシで24時間以内にバラバラにすればいいわけです。このことをプラックコントロールといいます。TVなんかでよく聞く言葉ですね。
ただし、ここで問題があります。歯の横の面はどうやって磨くのでしょうか?これがデンタルフロスというものです。(皆さんがいう、糸楊子と呼んでいるいるものです)アメリカの映画なんかの1シーンによく出てきますが、皆さんは、見たことがあるでしょうか?日本では糸楊子という言葉がその意味を誤解させる要素があって、デンタルフロスは歯と歯の間に詰まった食べかすを取るものだと思っている方が多くいますが、それは違います。正しいデンタルフロスの意味は歯の横の面を磨く歯ブラシなのです。ですので、いくら歯ブラシを一生懸命がんばっても、デンタルフロスを使用していなければ、歯を磨いていないのと同じことになります。以上のことは患者の皆さんがお家でご自身でやっていただくことになるので、これをホームケアーといいます。
一方、歯の表面についた膜は歯ブラシでは取れません。ですので、この膜はクリニックに入って取ることになります。この膜は特殊なお薬を使用して機械的に除去します。このことをPMTC(プロフェッショナル メカニカル ティース クリーニング)といいます。いわゆる歯のクリーニングというやつです。またこのことを、クリックで行うのでオフィスケアーといいます。
したがって、このホームケアーとオフィスケアーの両軸を回すことで完全に虫歯と歯周病は未然に防ぐことができるのです。
ちなみにこのオフィースケアー(歯のクリーニング)は3ヶ月に一回 年4回のペースで行うことが最も効果があると疫学的調査で立証されています。欧米では成人の約90パーセントの方が虫歯や歯周病がないという結果が出ています。みなさんはご存知でしたか?
それから、フッ素です。フッ素は日本を除く先進国のほとんどの国の水道水に含まれています。
フッ素はお口の中の唾液のカルシウムと結合して歯を強化する働きがあります。欧米ではお腹の中に赤ちゃんができた時保健所でフッ素の錠剤を無料配布して、お腹の中の赤ちゃんの歯の強化に役に立つようにしています。
ですので、まずは正しい予防の知識を持つこと、ここが歯科治療を理解するうえでの第一歩となります。次回はさらに一歩進んだ、予防の最前線と歯科治療の本質についてお話したいと思います。芸能人は、歯が命といいますが、人間皆、歯が命です。これを機会にご自身の健康を改めて考える機会にしてはいかがでしょうか?
かなたにデンタルクリニック 院長 金谷 昌幸